FX取扱業者: 2008年10月アーカイブ

 今年7月からスプレッド0銭(ドル/円など)に踏み切ったクリック証券。いったいどうやって収益を得ているのだろうか。社員の半分がSEという同社の知られざる実態に迫った。
スプレッド0銭のカラクリ

 FXが個人投資家の間に開放されて10年の時がたった。いまや、株式投資と肩を並べるほどの人気だ。FXサービスを取り扱う会社も増え、先物取引会社系、独立系、証券会社系と、群雄割拠の様相を呈し、各社がサービス競争にしのぎを削っている。

 2008年に入り、さらに激化したのは取引コストの引き下げ競争ではないだろうか。一般的に投資家がFX会社を選ぶ際に注目するのは、売買手数料、スプレッド(通貨の買値と売値の差額)、スワップポイントといった取引コストについてだ。システムの使い勝手や高機能ツールも大事だが、日々のコストはもっとも気になるところ。よって、より安く、条件のいい会社には、おのずと注目が集まる。

 そういったニーズに各社も敏感に反応。いまでは、多くの会社が取引手数料無料を実現し、最近ではスプレッドの改定も相次いでいる。

 そのような状況下、今年7月から、スプレッド0銭(ドル/円など)に踏み切ったのが、これまでもローコスト路線でアドバンテージのあった、クリック証券(東京都渋谷区)だ。

「この夏は株式市場が低迷していたので、株からFXに乗り換える投資家の方も多かったようですが、おかげさまで8月の取引高は過去最高。それまでの月間取引量から倍以上に増えました。口座開設の伸びも堅調です。スプレッド0銭が大きく貢献しました」と話すのは、クリック証券の外国為替部長、畠山一教氏だ。クリック証券においては、低価格戦略は見事、追い風になっているようだ。

「スプレッドが0銭ということは、取引レートから1銭レートが動くだけで為替差益が取れます。
短期の小幅な値動きでも利益が狙えるので、デイトレーダーをはじめとする、短期取引が活発になりました。トレーダーの皆さんも小まめに利益確定するので、反対に大損するケースも減ったようです」(畠山氏、以下同)

 どうやら、スプレッド0銭戦略は、クリック証券と投資家の両者に恩恵をもたらしているようだ。しかしながら不思議なのは、なぜこのようなサービスが可能だということ。率直に疑問をぶつけてみたところ、次のような答えが返ってきた。

「単純に言うと企業努力なんですが(笑)。それはさておき弊社の場合、カバー先の金融機関が3行あり、それぞれから条件のいいレートを採用することで、買値と売値が同額、つまりスプレッド0銭を実現しています。取引量などに応じて、多少スプレッドが広がることはありますが、なるべく狭いスプレッドを安定して提供するようにしています」

 スプレッド0銭をいったいどのような仕組みで実現しているのか、畠山氏の説明をさらに噛み砕いてみよう。

複数のカバー先からより条件のいいレートを採用

 一般的にFX取引会社は、カバー先の金融機関から提示されるレートを元に、通貨の買値と売値を決めている。

 例えばカバー先が、ドル円の買値を106円50銭、売値を106円48銭で提示してきたら、これをもとにFX会社は価格決定を行う。カバー先金融機関と同じレートで提供する会社もあれば、買値と売値の幅を広げて、その分を利益に回す会社もある。この場合、ドル円のスプレッドは、「106円48銭-106円50銭=2銭」だ。

 ところがクリック証券のようにカバー先金融機関が複数ある場合は、A社からの買値106円48銭、B社からの売値106円48銭というように、より条件のいいレートを採用することができ、その結果スプレッド0銭も実現できるというわけだ。顧客重視の視線といってもいいだろう。

独自のカバレッジシステムを確立

 しかし、スプレッドという取引コストの撤廃は、クリック証券の収益性の悪化を招くことになる。その点についてはどう考えているのだろうか。

「ユーザーが取引するのは、ドル/円やユーロ/ドルといった、スプレッド0銭の通貨ペアとは限りません。最初のきっかけがそれだとしても、取引に慣れるに従い、他のスプレッドが0銭ではない通貨ペアも取引しています。為替の性質上、取引量の少ない通貨にはスプレッドが生じますが、それでも狭い水準なので、おおむねユーザーの皆さんにとっても、好条件でご提供できていると思います」

 また、クリック証券では、カバー先金融機関との仲介を為替ディーラーに人為的に任せるのではなくシステム化。独自のカバレッジシステムを確立することで、自社に損失が生じないようにしているという。スプレッド0銭は赤字覚悟の顧客還元サービスではなく、こういった取り組みの結果、実現しているのだ。

 現在、クリック証券では14通貨ペアを提供しているが、全取引量に対するドル円の割合は6割超。最大200倍というレバレッジを生かして、短期取引で利ざやを稼ぐトレーダーが目立つとか。

「今後も、ローコスト戦略は継続する方針です。一方、取扱い通貨ペアを増やすかどうかについては慎重に考えています。提供数が増えても、リクイディティの少ない通貨だと、どうしてもスプレッドが広がってしまうので、それだと私たちの考えに反することになりますから。あくまでも狭いスプレッドの通貨ペアを安定的に提供することを念頭に展開していきたいですね」

 一方、クリック証券といえば、取引ツールをはじめ、システムの自社開発でも知られている。FXにおいては、取引ツールの「はっちゅう君FX」、高機能チャート「FXチャートGOLD」、「FXツールバー」は使い勝手がよく、ユーザーの間でも評価が高い。モバイル対応にも積極的で、モバイルサイトの「モバトレ君」、ドコモとソフトバンク対応の「モバトレ君アプリFX」も無料で提供している。

「モバイルに関しては一部、外部にお願いしていますが、PCはもちろん、ほとんどのシステムは社内で開発しています。その結果、外部のシステムを導入している会社に比べて、開発コストで約10分の1、開発スピードも他社の3分の1程度を実現しています。これも低価格路線が可能な理由の1つです」

 先進的な取り組みにも積極的だ。そのひとつが、FXデモトレードで使用できる、システムトレードツール「シストレ君」だ。
(引用:投資&お金活用実践Webマガジン MONEYzine(マネージン)「FX「スプレッド0銭」のカラクリ 社員の半分がSEの業界の風雲児を突撃取材」


クリック証券のデモトレードは使いやすいですね。
最初はちょっとやぼったい感じがしたのですが、使ってみるとわかりやすかったり。
スプレッド0銭は驚異的なのでとりあげてみました。

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